偏差値帯:35.0〜37.5(Tier A)
就職率:約91%(就職希望者ベース・パスナビ)
藤原の一言:「不安に思う気持ちは痛いほどわかる。でもここから変えられる」
「筑波技術大学 やばい」——検索した気持ち、痛いほどわかる。俺も偏差値37くらいの大学に通ってた。大学名を言うたびに空気が変わるあの感じ、何度も経験した。
でも、今更それを嘆いても仕方ない。ここから配られたカードで戦うしかない。だからまず、筑波技術大学の現実をデータで確認していこう。
筑波技術大学はFラン?偏差値と入試データで検証
まず前提として知っておいてほしい。筑波技術大学は日本で唯一の聴覚・視覚障害者のための国立大学だ。聴覚障害者を対象とした産業技術学部、視覚障害者を対象とした保健科学部、そして両障害に対応した共生社会創成学部の3学部構成。一般的な大学と入試の仕組みがそもそも違う。
偏差値は河合塾のデータで以下の通り。
学部別偏差値
| 学部・学科 | 偏差値(河合塾) | 共テ得点率 |
|---|---|---|
| 産業技術学部 産業情報学科 | 37.5 | 36% |
| 産業技術学部 総合デザイン学科 | — | 40% |
| 保健科学部 保健学科 | — | 43% |
| 保健科学部 情報システム学科 | — | 55% |
| 共生社会創成学部(視覚障害) | — | 50% |
| 共生社会創成学部(聴覚障害) | — | 37% |
出典:パスナビ(河合塾提供・2026年度入試予想)
偏差値が公表されているのは産業情報学科の37.5のみ。他の学部・学科は志願者数が少なく、河合塾の偏差値算出基準を満たしていないため非公表になっている。これは大学の質が低いからではなく、受験資格が聴覚・視覚障害者に限定されているからだ。そもそも受験できる人自体が限られている大学で、一般的な偏差値ランキングに当てはめること自体がズレている。
共通テスト得点率を見ると、情報システム学科は55%、共生社会創成学部の視覚障害コースは50%と、決して低い数字ではない。「Fラン」と一括りにするのは、この大学の実態をまるで見ていない。
次に倍率を確認しよう。
倍率推移
| 年度 | 産業技術学部 | 保健科学部 | 共生社会創成学部 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 1.2倍 | 1.3倍 | 1.1倍 |
| 2024年度 | 1.4倍 | 1.7倍 | — |
| 2023年度 | 1.4倍 | 1.7倍 | — |
出典:パスナビ(2023〜2025年度入試結果)
倍率は1倍台。ただしこれも、受験資格が聴覚・視覚障害者に限定されているための数字であって、「誰でも受かる」という意味ではない。共生社会創成学部は新設学部のため、2023・2024年度のデータは存在しない。
筑波技術大学は1学年約60名という超少人数制。全ての授業で手話通訳や点字資料が用意され、教員一人あたりの学生数は一般的な大学と比較にならないほど少ない。この環境は偏差値では測れない価値がある。
筑波技術大学の就職実績
偏差値だけ見ると不安になるのはわかる。でも大事なのは卒業後にどうなれるかだ。就職データを確認しよう。
就職率
| 学部 | 卒業者数 | 就職希望者数 | 就職者数 | 就職率 |
|---|---|---|---|---|
| 産業技術学部 | 40 | 29 | 27 | 93.1% |
| 保健科学部 | 20 | 18 | 16 | 88.9% |
| 全体 | 60 | 47 | 43 | 91.5% |
出典:パスナビ / 筑波技術大学公式(2025年3月卒業生実績)
就職希望者ベースで91.5%。全国平均(約97%)と比べると低く見えるかもしれない。ただし、卒業者60名という超小規模大学であること、そして障害のある学生の就職活動には一般の大学以上のハードルがあることを考慮する必要がある。産業技術学部からは6名が大学院に進学しており、進路の選択肢は就職だけではない。
大事なのは、就職先の質だ。
主要就職先
| 学部 | 主な就職先 |
|---|---|
| 産業技術学部 | ソフトバンク / トランスコスモス / NTTデータMSE / キヤノンビズアテンダ / 東京地下鉄(東京メトロ) / 持田製薬 / 岩谷産業 / LIXIL / デンソー / 広島県庁 |
| 保健科学部 | 本田技研工業 / 楽天ソシオビジネス / エフサステクノロジーズ / 埼玉みさと総合リハビリテーション病院 |
出典:筑波技術大学公式(2025年3月卒業生実績)
ソフトバンク、東京メトロ、デンソー、本田技研工業、LIXIL——1学年60名の小さな大学から、これだけの企業に就職実績がある。「やばい」では片づけられない就職先だと思わないか。
産業技術学部からは広島県庁への就職もある。IT系ではNTTデータMSEなど、技術職としてのキャリアが開けている。保健科学部は理学療法士の国家資格を活かした医療機関への就職が強い。学部の特性を活かした就職支援が機能している証拠だ。
同偏差値帯の大学と比べると?
筑波技術大学だけを見ていても相対的な位置がわからない。同じ偏差値帯の国立大学と比較してみよう。ただし、筑波技術大学は障害者教育に特化した唯一の国立大学であり、単純比較には限界がある点は前提として置いておく。
| 大学名 | 偏差値帯 | 就職率 | 学費(4年概算) |
|---|---|---|---|
| 筑波技術大学 | 35.0〜37.5 | 91.5% | 約243万円 |
| 室蘭工業大学 | 35.0〜37.5 | 98.0% | 約243万円 |
| 北見工業大学 | 35.0 | 100.0% | 約243万円 |
出典:各大学公式 / パスナビ(2024〜2025年度実績)
学費は3校とも国立大学標準額で4年間約243万円。就職率だけを見ると、室蘭工業大学98.0%、北見工業大学100.0%が上回っている。ただし、これは大学の優劣ではない。筑波技術大学の学生が就職活動で直面するハードルは、障害者雇用という構造的な制約があるぶん、一般の大学とは異なる。
むしろ注目すべきは、国立大学としての学費の安さだ。4年間で約243万円。私大なら450万円前後かかるところを半額程度で通える。さらに、筑波技術大学には入学料・授業料の免除制度も用意されている。経済的な負担の軽さは、この大学の大きな強みだ。
「筑波技術大学 やばい」と検索される背景
ここまでデータを見てきて、「思ったほど悪くない」と感じた人もいると思う。じゃあなぜ「やばい」と検索されるのか。
最大の理由は、大学の特殊性が正しく知られていないことにある。筑波技術大学は聴覚・視覚障害者のための国立大学だが、その事実を知らない人のほうが圧倒的に多い。偏差値35〜37.5という数字だけが一人歩きし、「Fラン」「やばい」というレッテルを貼られる。
BF(ボーダーフリー)に近い偏差値帯は、それだけでネガティブに語られやすい。ネット上の大学ランキングや匿名掲示板では、偏差値の数字だけで大学を判断する傾向がある。筑波技術大学もその構造に巻き込まれている。
しかし、この大学の偏差値が低く見えるのは入学条件が限定されているからであって、教育の質が低いからではない。全授業に手話通訳・点字資料を完備し、教員一人あたりの学生数は極めて少ない。1学年約60名に対して、これだけの教育環境を国の予算で提供できるのは国立大学だからこそだ。
さらに、「筑波」という名前から筑波大学と混同されたり、「技術大学」という名称から職業訓練校のようなイメージを持たれることもある。だが実態は文部科学省が設置する正規の4年制国立大学であり、大学院まで設置されている。
データを見ればわかる通り、筑波技術大学の実態は「やばい」という検索イメージとは大きく異なる。ソフトバンクやデンソー、本田技研工業への就職実績がある大学を「やばい」と呼ぶのは、あまりにも表面的な判断だ。
まとめ ― 配られたカードで戦うために
偏差値だけ見れば、不安に思う気持ちはわかる。俺も同じだった。
でも、全然どん底なんかじゃない。ソフトバンク、東京メトロ、デンソー、本田技研工業——筑波技術大学からでも、行動次第でこれだけの選択肢がある。しかも国立大学だから学費は4年間で約243万円。日本で唯一の障害者教育に特化した国立大学という環境は、他のどこにもない。
俺も偏差値37の大学から、今こうして普通に社会人として生きてる。ここからいくらでも変えられる。頑張ってほしい。
同じ偏差値帯の大学を見る:偏差値37以下の大学一覧|就職率・学費データ付き

