偏差値帯:55.0〜60.0(Tier D)
就職率:就職希望者ベース約78%(大学院進学率約47%)
藤原の一言:「俺から正直に言わせてもらうと十分すごい」
「東京芸術大学 やばい」と検索してここに来たのか。「入試が異常に難しい」「就職できない」「変人だらけ」——色々な意味でやばいと語られる大学だから、気になる気持ちはわかる。
ただ、偏差値37くらいの大学に通ってた俺から正直に言わせてもらうと、東京芸術大学は十分すごい。というか、次元が違う。データで確認してみてほしい。
東京芸術大学の偏差値と入試難易度
東京藝術大学は日本唯一の国立総合芸術大学。美術学部と音楽学部の2学部構成で、入試は実技試験が中心だ。そのため河合塾の偏差値が算出されている学科はごくわずか。代わりに共通テスト得点率で入試難易度を確認しよう。
| 学部・学科 | 共テ得点率 | 偏差値 |
|---|---|---|
| 美術学部 芸術学科 | 85% | 60.0 |
| 美術学部 建築科 | 63% | — |
| 美術学部 先端芸術表現科 | 60% | — |
| 美術学部 デザイン科 | 58% | — |
| 美術学部 彫刻科 | 58% | — |
| 美術学部 工芸科 | 55% | — |
| 美術学部 絵画科(油画) | 55% | — |
| 美術学部 絵画科(日本画) | 54% | — |
| 音楽学部 音楽環境創造科 | 86% | 55.0 |
| 音楽学部 楽理科 | 80% | — |
| 音楽学部 指揮科 | 68% | — |
| 音楽学部 声楽科 | 67% | — |
| 音楽学部 作曲科 | 65% | — |
| 音楽学部 器楽科 | 59% | — |
| 音楽学部 邦楽科 | 50% | — |
出典:パスナビ(河合塾提供・2026年度入試予想)
偏差値が出ているのは芸術学科の60.0と音楽環境創造科の55.0のみ。ほとんどの学科は実技試験の比重が圧倒的に高いため、一般的な偏差値では測れない。共テ得点率も芸術学科85%、音楽環境創造科86%と、学科試験型の学科はかなりの高水準だ。
だが、この大学の本当の難しさは倍率に表れている。
| 学科 | 2025年度 | 2024年度 |
|---|---|---|
| 絵画科(油画) | 20.8倍 | 19.6倍 |
| 絵画科(日本画) | 15.8倍 | 15.3倍 |
| デザイン科 | 13.2倍 | 14.5倍 |
| 彫刻科 | 10.6倍 | 8.8倍 |
| 工芸科 | 8.5倍 | 7.8倍 |
| 音楽環境創造科 | 6.3倍 | 6.2倍 |
| 先端芸術表現科 | 6.4倍 | 5.9倍 |
| 芸術学科 | 5.9倍 | 4.7倍 |
| 建築科 | 5.0倍 | 6.7倍 |
| 器楽科 | 3.1倍 | 3.1倍 |
| 声楽科 | 2.9倍 | 3.4倍 |
| 作曲科 | 1.9倍 | 1.8倍 |
出典:パスナビ(2025年度・2024年度一般選抜)
油画専攻の倍率は20.8倍。1,146人が受験して55人しか受からない。しかもこの倍率は実技試験の世界での20倍だ。学力試験と違って模範解答がない中での20倍。「東大より難しい」と言われるのは、大げさでもなんでもない。俺の大学の入試とは、もう比較する次元にない。
東京芸術大学の就職実績
就職データを確認しておこう。ただし東京藝術大学は一般的な大学と進路構造がまるで違う。卒業生の多くが大学院に進学するか、フリーランスの芸術家・演奏家として活動する。「就職率」だけで見ると実態を見誤るから、進路全体を把握してほしい。
学部別進路状況
| 学部 | 卒業者数 | 就職者数 | 大学院進学者数 | 就職率(就職希望者ベース) |
|---|---|---|---|---|
| 美術学部 | 240 | 43 | 128 | 78.2% |
| 音楽学部 | 225 | 44 | 89 | 77.2% |
出典:パスナビ(2024年度卒業者実績)
美術学部は卒業者240名中128名が大学院へ進学。進学率は53%を超える。就職希望者55名のうち43名が就職しており、希望者ベースの就職率は78.2%。音楽学部も同様の傾向だ。
一般的な大学の就職率97%前後と単純比較はできない。藝大の卒業生は「就職しない」のではなく、「就職以外の道を選ぶ人が多い」。ここが他の大学との決定的な違いだ。
主要就職先
| 分野 | 主な就職先 |
|---|---|
| ゲーム・エンタメ | 任天堂 / Cygames / コーエーテクモ / スクウェア・エニックス / 1UPスタジオ |
| 広告・メディア | 電通 / 博報堂 / NHK / TBSホールディングス |
| 音楽・演奏 | 東京交響楽団 / 札幌交響楽団 / 宝塚クリエイティブアーツ / 海上自衛隊音楽隊 |
| メーカー・建築 | ヤマハ / ヤマハ発動機 / 三菱地所設計 |
| 映像・アニメ | 京都アニメーション / TOHOスタジオ |
| 官公庁 | 厚生労働省 / 文部科学省 |
出典:パスナビ / 東京藝術大学公式(2024年3月卒業者実績)
任天堂、電通、博報堂、NHK、スクウェア・エニックス——。就職を選んだ人の就職先は業界トップ級の企業ばかりだ。ゲーム業界では任天堂・コーエーテクモ・Cygames、広告では電通・博報堂、音楽ではプロオーケストラと、それぞれの分野の最高峰に人材を送り込んでいる。
さらに、ここには載らない卒業生——フリーランスの芸術家、演奏家、作曲家として活動する人たちがいる。坂本龍一、久石譲、村上隆、葉加瀬太郎、King Gnuの常田大希。藝大出身の著名人を挙げればキリがない。就職率という数字だけでは測れない価値を持つ、日本で唯一の大学だ。
同偏差値帯の大学と比べると?
東京藝術大学は唯一無二の存在だが、同じ芸術系の大学と並べてみよう。
| 大学名 | 偏差値帯 | 就職率 | 学費(4年概算) |
|---|---|---|---|
| 東京藝術大学 | 55.0〜60.0 | 約78%(就職希望者ベース) | 約243万円 |
| 京都市立芸術大学 | 55.0 | 公表データなし | 約230万円 |
| 武蔵野美術大学 | 42.5〜52.5 | 約87% | 約680万円 |
出典:各大学公式 / パスナビ(2024年度実績)
東京藝大の学費は国立大学として4年間で約243万円。私立の武蔵野美術大学が約680万円かかることを考えると、学費の差は約440万円。同じ芸術を学ぶにしても、国立と私立でこれだけの差がある。
京都市立芸術大学は2023年に京都駅東部に新キャンパスを開設した公立芸術大学で、偏差値帯も藝大と近い。ただし規模・歴史・ブランド力では藝大が頭一つ抜けている。日本の芸術系大学の頂点に位置するのが東京藝大だという認識は、俺ごときが言うまでもなく周知の事実だ。
「東京芸術大学 やばい」と検索される背景
ここまでデータを見てきて、「やばい」の意味が色々あることに気づいた人もいると思う。東京藝大の「やばい」は、一般的な大学の「やばい」とは全く性質が違う。
最大の理由は入試の異次元の難しさだ。美術学部全体の倍率は12倍超。油画に至っては20倍を超える。しかも学力試験ではなく実技試験での20倍だから、「模範解答がない試験で20人に1人しか受からない」という世界。何年も浪人して挑戦する受験生が珍しくなく、現役合格率は3割にも満たない。この異常な狭き門が「やばい」と検索される最大の要因だ。
二つ目は、「化け物揃い」と呼ばれる学生の特異性。二宮敦人の著書『最後の秘境 東京藝大』がベストセラーになったことで、藝大生の独特な生態が広く知られるようになった。制作のために何日も大学に泊まり込む、自分の全身像を石膏で型取りする、漆にかぶれながらも「かぶれは友達」と平然としている——こうしたエピソードが「やばい」のイメージを作り上げている。
三つ目は就職率の見た目の低さだ。卒業者に対する就職者の割合は約19%。この数字だけ見れば確かに「やばい」に見える。だが先述の通り、これは「就職できない」のではなく「就職以外の道を選ぶ」人が圧倒的に多いということ。大学院進学率47%、残りの多くがフリーランスの芸術家として活動している。一般的な「就職率」の概念がそもそも当てはまらない大学なのだ。
俺から見ると、東京藝大の「やばい」は「すごすぎてやばい」の意味が大半。偏差値37の大学から見れば、完全に別世界の話だ。
まとめ ― 配られたカードで戦うために
データが証明してる通り、東京芸術大学は入試倍率・就職先の質・学費のコスパ、どこを切っても不安に思う要素がない。日本唯一の国立総合芸術大学として、芸術の世界では最高峰に位置している。
俺みたいなFラン出身者から見れば、あなたの環境はかなり恵まれてる。全然どん底なんかじゃない。その環境を活かして、大学生活を楽しんでほしい。
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