東京音楽大学は誰でも入れる?偏差値・就職データで検証

偏差値帯:BF〜35.0(Tier A)

就職率:94.6%(就職希望者ベース・パスナビ)

藤原の一言:「不安に思う気持ちは痛いほどわかる。でもここから変えられる」

更新日:2026年4月 | 出典:東京音楽大学公式 / マナビジョン / パスナビ / Kei-Net

「東京音楽大学 誰でも入れる」——検索した気持ち、痛いほどわかる。俺も偏差値37くらいの大学に通ってた。大学名を言うたびに空気が変わるあの感じ、何度も経験した。

でも、今更それを嘆いても仕方ない。ここから配られたカードで戦うしかない。だからまず、東京音楽大学の現実をデータで確認していこう。

東京音楽大学は誰でも入れる?偏差値と入試データで検証

まずは偏差値と入試の実態を見てみよう。東京音楽大学の偏差値帯は河合塾の数値でBF〜35.0。専攻によって差がある。

専攻別偏差値

専攻 偏差値(河合塾)
器楽専攻 35.0
作曲指揮専攻(芸術音楽コース) 35.0
ミュージック・リベラルアーツ専攻 35.0
ミュージックビジネス・テクノロジー専攻 35.0
声楽専攻 BF
吹奏楽アカデミー専攻 BF
作曲指揮専攻(指揮) BF

出典:パスナビ(河合塾提供・2026年度入試予想)

声楽専攻や指揮はBF(ボーダーフリー)。器楽や作曲は35.0。ただし、ここで重要なのは音大の偏差値は学科試験のみの指標だということ。東京音楽大学の入試は実技審査が中心であり、学科の偏差値だけで難易度は測れない。ピアノ演奏家コースの実技審査は相当なレベルが求められるし、声楽専攻も実技で不合格になる受験生はいる。

偏差値がBFだからといって「誰でも入れる」と断定するのは、音大の入試構造を知らない人の発想だ。実技審査という見えないハードルが存在する。ピアノや声楽の技術は一朝一夕で身につくものじゃない。幼少期から積み重ねてきた人たちが集まる場所だ。これは偏差値には一切反映されない。

「誰でも受かる」という声について、入試データでも確認しておこう。

倍率推移

年度 志願者数 受験者数 合格者数 倍率(全選抜)
2025年度 517 491 445 1.1倍
2024年度 454 429 403 1.1倍
2023年度 451 436 393 1.1倍

出典:パスナビ / 東京音楽大学公式 入学試験データ

全選抜合計の倍率は3年連続で1.1倍。数字だけ見ると「ほぼ全入」に見えるかもしれない。しかし、これは書類選考と実技審査を含んだ上での倍率だ。2025年度は打楽器専攻のA日程で1.8倍、B日程では4.0倍に達している。専攻によって競争率に大きな差があるのが音大の特徴で、全体の数字だけでは見えない実態がある。

ちなみに、東京音楽大学は1907年創立の日本最古の私立音大。池袋キャンパスと中目黒・代官山キャンパスの2拠点を持ち、100年以上の歴史で培われた教育環境がある。都心のアクセスの良さは、演奏会やレッスンの機会という点でも見逃せないポイントだ。

東京音楽大学の就職実績

偏差値だけ見ると不安になるのはわかる。ただ、音大の場合は「就職」の定義そのものが普通の大学と違う。卒業後にフリーランスの演奏家や音楽講師として活動する人も多いから、就職率の数字は文脈を踏まえて見る必要がある。それを前提にデータを確認していこう。

就職率

項目 数値
卒業者数 348名
就職希望者数 202名
就職者数 191名
進学者数 58名
就職率(就職希望者ベース) 94.6%

出典:パスナビ(2024年度卒業生実績)

就職希望者202名のうち191名が就職。就職率94.6%。卒業者348名のうち就職を希望したのは202名で、残りは大学院進学(58名)やフリーランス演奏家としての活動を選んでいる。音大では「就職しない=失敗」ではない。演奏活動や留学という進路がある分、就職希望者自体が少なくなるのは音大共通の構造的な特徴だ。

ただし、就職を希望した人に限れば94.6%が内定を獲得している。これは音大としてはかなり高い水準だ。後述する比較校のデータを見ればその差は一目瞭然。「音大は就職できない」というイメージとは、だいぶ違う現実がここにある。

主要就職先

分野 主な就職先
教育 公立中学校教員9名 / 公立小学校教員6名 / 公立高等学校教員2名 / 公立特別支援学校教員2名
音楽・芸術 自衛隊音楽隊3名 / ヤマハ音楽教室3名 / カワイ音楽教室 / 島村楽器 / KAJIMOTO
一般企業 日本航空2名 / 任天堂 / PwCコンサルティング / 日本年金機構

出典:パスナビ(2024年3月卒業者実績)

音楽教員としての就職が最も多く、公立学校の教員として合計19名が採用されている。これは音大の中でもトップクラスの教員採用実績だ。自衛隊音楽隊への採用も毎年安定してあり、音楽の専門性を活かせる公的な職場への強いパイプがある。

注目すべきは一般企業への就職先だ。日本航空、任天堂、PwCコンサルティング——音大からこのラインナップが出てくるのは驚く人も多いと思う。音楽で培った表現力やコミュニケーション能力、何千時間もの練習で鍛えられた集中力は、一般企業でも高く評価される。東京音楽大学のキャリア支援センターでは入学時から「自分創り」を支援しており、就職対策講座や個別相談、インターンシップ講座など多角的なサポートが用意されている。年間200を超えるインターンシップの募集があるのも、この大学の就職支援の手厚さを示している。

同偏差値帯の大学と比べると?

東京音楽大学だけを見ていても相対的な位置がわからない。同じ音大で偏差値帯が近い大学と比較してみよう。

大学名 偏差値帯 就職率 学費(4年概算)
東京音楽大学 BF〜35.0 94.6% 約835万円
昭和音楽大学 35.0 83.8% 約848万円
国立音楽大学 BF 72.1% 約864万円

出典:各大学公式 / パスナビ(2024年度実績)

偏差値帯はほぼ同水準。いずれもBF〜35.0の範囲で、音大としては標準的な偏差値帯だ。しかし就職率を見ると差が出る。東京音楽大学の94.6%に対し、昭和音楽大学は83.8%、国立音楽大学は72.1%。東京音楽大学が20ポイント以上の差をつけて3校の中で最も高い。

学費は3校とも4年間で約835〜864万円。音大は一般の私大(4年間約450万円前後)と比べると高額だが、個人レッスンや専用の練習室・ホールなど、音楽の専門教育には相応の設備投資が必要になる。その中で東京音楽大学は3校中最も学費が安く、最も就職率が高い。投資対効果で見れば、この偏差値帯の音大の中では優位に立っている。大事なのは入口の偏差値じゃなく、出口の就職実績だ。

「東京音楽大学 誰でも入れる」と検索される背景

ここまでデータを見てきて、「思ったほど悪くない」と感じた人もいると思う。じゃあなぜ「誰でも入れる」と検索されるのか。

BF(ボーダーフリー)に近い偏差値帯は、それだけでネガティブに語られやすい。ネット上の大学序列ランキングや匿名掲示板では、偏差値の数字だけで「誰でも入れる」とレッテルを貼られることがある。東京音楽大学も、声楽専攻や指揮がBFである点が一人歩きして、大学全体が簡単に入れると思われがちな構造がある。

ただ、先述の通り音大の入試は実技審査が主体だ。偏差値は学科試験の指標にすぎず、ピアノ演奏家コースの実技審査では2倍近い倍率がある。打楽器専攻のB日程では倍率4.0倍——これは早慶の一部学科に匹敵する数字だ。「BF=誰でも入れる」という等式は、音大には当てはまらない。偏差値が測っているのは学科試験の難易度だけで、実技というもう1つの入試をまるごと無視した指標だからだ。

さらに、音大全体に「就職に不利」「将来が不安」というイメージがつきまといやすい。しかし東京音楽大学の就職率94.6%や、日本航空・任天堂への就職実績は、そのイメージとは明確に異なる。偏差値では測れない実技の世界で戦ってきた人たちが、卒業後もしっかり社会で活躍している。それがデータで示された事実だ。

まとめ ― 配られたカードで戦うために

偏差値だけ見れば、不安に思う気持ちはわかる。俺も同じだった。

でも、全然どん底なんかじゃない。就職率94.6%。公立学校教員19名・自衛隊音楽隊・日本航空・任天堂——東京音楽大学からでも、行動次第でこれだけの選択肢がある。しかも100年以上の歴史を持つ日本最古の私立音大だ。

俺も偏差値37の大学から、今こうして普通に社会人として生きてる。ここからいくらでも変えられる。頑張ってほしい。

藤原 大地 | 偏差値37前後の大学卒 → 社会人5年目

全然どん底なんかじゃない。配られたカードで戦うためのデータを発信中。

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